神奈川県は4月6日に「令和8年度中小企業生産性向上促進事業費補助金」の公募要領を公表しました。物価高騰や深刻な人手不足が続くなか、中小企業等の「稼ぐ力」の安定・強化を後押しし、設備導入や業務改善を通じた生産性向上を支援する補助金です。昨年と同様の補助金は「一般枠」となり、新たに「グループ化支援枠」「創業者成長支援枠」が設けられています。
一般枠・グループ化支援枠は、以下の日程です。
・6月公募:5月1日から6月30日17時まで
・7月公募:7月1日から7月31日17時まで
・8月公募:8月3日から8月31日17時まで
創業者成長支援枠は以下の日程です。
・5月1日から8月31日17時までの通し公募
生産性向上、業務プロセス改善、人手不足解消に資する設備導入等を支援するものです。たとえば、製造工程の改善設備、検査工程の改善設備、調理工程やサービス提供方法の改善に資する設備などが例示されています。補助率は原則2分の1以内、小規模事業者は3分の2以内、補助上限額は500万円、下限額は25万円です。従来の業務の生産性向上を図る要件であり、比較的幅広い事業者が活用しやすく、神奈川県内で設備投資を検討している企業にとって、使い勝手のよい枠といえるでしょう。
グループ化、すなわちM&A後の事業統合に伴う設備導入等を支援する枠です。事業再編後の効率化や経営基盤強化を後押しする制度設計となっています。補助率は一般枠と同じく原則2分の1以内、小規模事業者は3分の2以内ですが、補助上限額は4,000万円、下限額は500万円と大きく、統合後の本格的な設備投資を予定している事業者には注目度の高い枠です。
一般枠での要件に加え、以下の6つの要件を満たす必要があります。
(1)県内中小企業者が、親族(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族)や自身のグループに属さない第三者の中小企業者の経営権又は事業を取得(株式や持ち分の譲渡、第三者割当増資、株式交換、事業譲渡、吸収合併、吸収分割)していること。(以下、「M&A」という。)
(2)M&Aによって取得した事業を活かし、グループ化の効果を高める補助事業であること
(3)経営権又は事業の取得日(クロージング日)が令和7年4月1日から申請日までの間であること
(4)承継者と被承継者のどちらも令和7年4月1日以前に事業を開始していること
(5)承継者と被承継者の間で、M&A成立前に承継者によるDD(デュー・ディリジェンス)が実施されていること
(6)事業譲渡の場合は、有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客)の譲渡であること
かなり限定されそうですが、該当する企業にとっては大きなチャンスになります。
令和5年4月1日以降に創業した事業者を対象に、創業後の成長に必要な設備導入等を支援するものです。ここで注意したいのは、創業時のイニシャルコストそのものではなく、創業後のさらなる成長のために必要となった設備が対象とされている点です。このあたりが一般枠とは異なる点でもあります。また、申請から交付までの間、地域の支援機関による継続的な伴走支援を受けることが要件となっています。補助率は3分の2以内、補助上限額は300万円、下限額は25万円です。創業間もない事業者にとっては、成長投資を後押しする有力な制度といえます。
昨年の制度と同様、この補助金は「新商品開発」そのものよりも、設備導入による効率化・省力化・付加価値向上に重きを置いている点が特徴です。日々の業務負担を減らしたい、採用難を設備で補いたい、サービス提供体制を見直したいという事業者には、非常に相性のよい補助金です。