ひとつは国(中小企業庁)の省力化投資補助金(一般型)、もうひとつは令和8年度神奈川県中小企業生産性向上補助金(一般枠)です。
この2つには共通する特徴があり、設備投資を考えているのであれば、ぜひ活用を検討していただきたい制度です。以下、それぞれの概要と共通点・相違点をご説明します。
1.省力化投資補助金(一般型)
概要
生産・業務プロセスやサービス提供方法の省力化を図るオーダーメイド設備等の導入を支援する、中小企業庁の補助金です。
「オーダーメイド設備等」と聞くと難しそうに思われるかもしれませんが、「個別の現場に応じて組み合わせた汎用設備やシステムの導入」も含まれます。
補助金額・補助率(第6回実績)
補助率は中小企業1/2、小規模事業者・再生事業者は2/3などとなっています。
補助上限額は従業員数によって以下のとおりです。
・従業員5人以下:750万円(特例1,000万円)
・従業員6〜20人:1,500万円(特例2,000万円)
・従業員21〜50人:3,000万円(特例4,000万円)
・従業員51〜100人:5,000万円(特例6,500万円)
・従業員101人以上:8,000万円(特例1億円)
※()内は特例の場合
中小企業にとってはかなり大型の補助金です。
直近のスケジュール
第7回公募の締め切りは7月下旬(予定)となっています。
2.令和8年度神奈川県中小企業生産性向上補助金(一般枠)
概要
物価高騰や深刻な人手不足が続くなか、中小企業等の「稼ぐ力」の安定・強化を後押しするため、神奈川県が設けた補助金です。生産性向上、業務プロセス改善、人手不足解消に資する設備導入等が対象となります。
たとえば、製造工程の改善設備、検査工程の改善設備、調理工程やサービス提供方法の改善に資する設備などが例として挙げられています。
補助金額・補助率
補助率:原則1/2以内(小規模事業者は2/3以内)
補助上限額:500万円
補助下限額:25万円
国の補助金と比べると規模感は小さくなりますが、その分手続きが身近で使い勝手がよく、神奈川県内で設備投資を検討している事業者にとって活用しやすい枠といえます。
直近のスケジュール
6月公募:5月1日〜6月30日17時
7月公募:7月1日〜7月31日17時
8月公募:8月3日〜8月31日17時
2つの補助金に共通するポイント
(1)いまの事業の延長線上で申請できる
この2つの最大の共通点は、現在行っている事業の生産性向上・省力化が要件であることです。
新製品の開発や新規市場への進出、新規事業の立ち上げといった、普段の業務とは別の大きな取り組みは必要ありません。いまやっている仕事をより効率よくするための設備投資であれば申請対象となります。
「補助金を使いたいが、新しいことを始める余裕はない」という経営者にとって、非常に使いやすい設計といえます。
(2)採択率が高い
もうひとつの共通点は、過去の採択率の高さです。要件をしっかり満たした申請であれば採択される可能性が比較的高く、中小企業がチャレンジしやすい制度になっています。
補助金の中には採択率が低く「採択されれば儲けもの」というものも少なくありませんが、この2つはそのような性格の補助金ではありません。しっかり準備して申請すれば、実を結ぶ可能性が高いです。
2つの補助金の主な違い
オーダーメイド性の有無
省力化投資補助金(一般型)では、オーダーメイド設備等の導入が要件とされています。前述のとおり、個別の現場に応じて組み合わせた汎用設備・システムも含まれますが、「自社の工程に特化した設計になっているか」という観点での説明が申請書に求められます。
一方、神奈川県の補助金(一般枠)は汎用設備でも申請しやすく、この点では間口が広いといえます。
補助金額の規模
国の補助金は従業員規模によって最大8,000万円(特例1億円)と大型です。大きな設備投資を一気に実現したい場合は国の補助金が適しています。
神奈川県の補助金は上限500万円で、比較的小〜中規模の設備投資に対応した金額感です。
まとめ
設備投資を考えている神奈川県の中小企業にとって、この2つの補助金は「いまの事業を強くするための投資」を直接後押しする制度です。新事業を起こす必要がなく、採択率も高い――まさにまたとない機会といえます。
どちらを選ぶかは、投資規模や設備の性質によって異なります。大型・専用設備での省力化を目指すなら国の省力化投資補助金、まず補助金を活用してみたい、あるいは比較的小規模な設備投資であれば神奈川県の補助金が使いやすいでしょう。
補助金の申請にあたってご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
※補助金の内容・募集要項は変更になる場合があります。最新情報は各窓口にてご確認ください。