中小企業庁が推進する「事業承継・M&A補助金」は、事業承継や事業統合を契機として設備投資や専門家活用を行う中小企業者等を支援し、生産性向上等を通じて地域経済の活性化を図る制度としています 。
令和7年度補正予算に対応する第12次公募では、以下の4つの枠での申請を受け付けます。
•事業承継促進枠(親族承継・従業員承継の設備・制度整備支援)
•専門家活用枠(M&A仲介、デューデリジェンス、契約支援など専門家費用の補助)
•PMI推進枠(M&A後の経営統合支援、統合後の事業体制整備費用)
•廃業・再チャレンジ枠(事業廃業・在庫処分や再起に伴う費用補助)
公募申請期間は2025年8月22日(金)~9月19日(金)17:00までです。本コラムでは特に「事業承継促進枠」に関してご紹介をします。
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「親族内承継や従業員承継等の事業承継予定の後継者が中心となって取り組む、生産性向上に資する設備投資等を支援する枠」とされ、「親族や従業員への承継」「概ね5年以内での承継を計画している」などが必要にはなりますが、「生産性向上へ結びつけることを目的」とした経営資源の承継時に必要な設備投資やなどが対象とできます。新製品開発が要件として求められるものづくり補助金や新事業進出が求められる新事業進出補助金に比べ、申請可能な事業者にとっては取り組みがしやすいと考えられます。
•被承継者が中小企業者等(個人事業主の場合は青色申告者である必要がある)
•承継形態は、親族承継または従業員承継で、申請時点での承継完了は不要ですが、概ね5年以内に実質的な承継(経営権・所有権の移転を伴うこと)を計画していることが求められます。
補助対象となる経費(補助対象経費)は、承継後の生産性向上等に直結する費用であり、以下のような費目が含まれます 。
•機械設備の購入・改装費用
•特許取得や産業財産権に関する費用(弁理士報酬含む)
•業務用ソフトやシステム導入
•謝金(専門家、コンサルタント、大学教授などへの支払)
•出張旅費(販路拡大目的で交通・宿泊)
•外注費・委託費(業務の一部を第三者に委託/外注)
•補助率は、小規模企業者は2/3以内、それ以外の中小企業は1/2以内です。
•補助上限額は、賃上げを行う場合最大1,000万円、賃上げなしは最大800万円までとなります。
•賃上げにより上限が引き上げられる条件とは、「事業場内最低賃金を申請時より50円以上増額」することです 。
申請書に盛り込む事業計画では、事業承継後の付加価値額または付加価値額/人を年3%以上成長させる見込みが必須です。これに伴い、具体的な投資内容、スケジュール、成果の目標数値を明示する必要があります。
申請可否などご相談事項があれば、お問い合わせいただければ幸いです。